最近の車には当たり前のようについているソナーセンサー。
障害物に近づくと「ピッピッピ」となるあれですね。
今日はそんなソナーについて話をしてみたいと思います。
これを読んでいただければ、ソナーの構造、誤作動と不具合の見分け方、そして対処方法がわかるようになります。
それでは進めていきましょう。
車のソナー。誤作動しませんか?
みなさんはこんな経験はないですか?
- 何もないところでピッピッピと車のソナーがなるんだけど…
- 前に障害物があるのにソナーが反応してくれなかった…
こわい!
おかしい!
修理が必要?
いえいえ、もしかすると単なる誤作動の可能性が高いです。
音で距離を測るってどういうこと??
ソナーセンサーは音波、つまり音で距離を測っています。
音で距離を測っているとはどう言った意味なのでしょうか??
音と振動
みなさん、音はどこで聴いてますか?
バカにするな!!
なんて、声が聞こえてきそうですが、そうです!
私たちは音を聞くとき、耳の中にある鼓膜が振動し、それによって音を感じています。
そう、つまり音とは空気の連続した圧力変動ということなんです(疎密波といいます)。
音に対する人の感覚
音に対してはおおよそ以下のような感覚で人に伝わります。
- 20Hz以下…振動のみ感じる
- 20〜200Hz…振動と音を同時に感じる
- 200〜20kHz…音だけを感じる
- 20k Hz以上…人には感じない
つまり人間の可聴範囲は、20〜20kHzということになりますね。
20kHz以上の音波のことを超音波と呼んでおり、車のソナーセンサーはこの領域の音波を使って距離を測っています。
音の速さとは
気温によって若干の変化はありますが、だいたい秒速340mとのことです。
ちなみに空気以外でも音は伝達され、物質化した材料の方が早く伝達されます。
水中は秒速1500m、金属では秒速6500mにもなるようです。
その通り!!ただ実際はどのようにしているかというと、ソナーセンサーから発信した音、つまり音波を障害物にあて戻ってくる時間差を距離に置き換えているということです。
やまびこを思い浮かべるともう少しわかりやすいと思います。
自分の声「ヤッホー」が、何秒かけて戻ってくるか?1秒で戻ってくれば、往復で340mということですから、障害物までの距離は340÷2で170mという事になるわけです。
ソナーセンサーの特徴
ソナーセンサーは何からできているか
圧電素子(セラミック)の性質を利用しています。
この圧電素子は、電気を加えると伸び縮みする性質があるため、細かい電圧信号でセラミックスを収縮させて超音波を作り出します。
そして、発信機の圧電素子は受信機としても併用しているため、自分で発振した超音波を受信機が受信します。
そしてその時の反射具合から、障害物の有り無しや距離を測定しているという事になるわkです。
ソナーセンサーの特徴
音を反射できれば、すべての障害物を検出することが可能ですので、透明なガラスでも、とても薄い板でも、もちろん人のようなものでも検出することが可能です。
ただし、音の反射を利用するため、スポンジのような音を吸収するような障害物については、正確な検出が難しくなります。
ただし1点、大きな弱点があります。それは…
自然環境に大きな影響を受ける可能性があります。例えば…
- 雨や雪に反応してしまう(雨や雪に反射してしまう)
- 音は空気の振動のため、風によって正確な距離を測れなくなる
- 外からの騒音の周波数帯が、ソナーセンサーが発信した周波数帯とほぼ同じ場合、誤反応をしてしまう場合がある
いずれにせよどんな状況でも正確に障害物を判断できるというわけではないようです。
自動車のソナーセンサーの不具合
筆者が経験した誤作動の事例
誤作動は本当によくあります。
筆者が自分で経験した、もしくはユーザからの経験談を聞いた中で以下のようなときに誤作動がおきます。
- 風の強い日、何もないところで誤作動
- 前に停車している、マフラーの排気音を検出して誤作動
- 対向車のソナーセンサー(から発信する音波)に誤反応
- 雨の日にやたらとうるさい
- グレーチングの上を走った際に、タイヤがグレーチングを通過する際のボコボコに反応
- 車庫の空間でソナーからの超音波が反響して、後ろのソナーセンサーの音波をフロントのソナーセンサーが検出(ちなみに前に障害物は一切ない)
逆に、作動しにくい状況は以下のとおり
- 風が強い日(これは誤作動もしやすいけど、作動しにくいときもある)
ん…、これくらいかな…
ってな感じでしょうか。
感覚的には作動すべきでないときに、作動するケースが多いです。
ソナーセンサーの不具合
「作動感度が高い」不具合もまれにありますが、ソナーセンサーが壊れたときの症状とすると、圧倒的に「作動しなくなった」ケースが多いです。
しかも、電子部品で電子制御をされていますので、配線の断線やショートがあると、警告灯が点灯しますので…
もし、不要な作動が多いというのであれば以下をまず確認してみましょう。
- 障害物がないところで反応する
- 晴れた日でも頻繁に反応する
- 特に風も吹いていない
- 必ず同じ個所のソナーが誤反応する
- ソナーセンサーを拭いても変化なし
上記のような状態であっても作動するようであれば、本当に不具合が起きている可能性がありますので、その旨を整備工場へお伝えいただければよいと思います(保証期間中であれば、無償で交換してもらうことも可だと思います。
何か良い対処方法はないのでしょうか
ソナーセンサーが音波の反射を利用して作動している以上は、弱点があるため根本的な解決方法はありません。
ただ、極力誤作動を抑える方法はあります。
車によっては、ソナーセンサーの感度を弱くできるものもあります。感度を弱くすれば、誤作動は少なくなります。
特に雨天時に悩まれる方が多いと思いますが、これはソナーセンサーに付着した雨滴がレンズの役目をし、より広い範囲で障害物を検出してしまうからです。
つまり、浸水性のコーティングをかけると、レンズ効果を弱めることができるため雨天時の誤作動を少なくすることができると思います。
まとめ
という事で、今日はソナーセンサーの構造、誤作動について説明をしてみました。
不具合かな…、どうにもならないのかな…なんて思っていた方。
まずは、誤作動が発生する状況をよく見極めてみてください。もし、誤作動がしやすい状況下でなければ、本当に不具合が起きている可能性もゼロではないと思います。
一度、お近くの(行きつけの)整備工場さんへご相談をしていてはいかがでしょうか?
では!