どうも、いちあるです。
さて、本日は「仮定法」と「could」です。
「could」は「can」の過去形のため、以前にできていたことなどを表現する際に使うことができるという話をしました。
ただ、その使い方は実はあまり一般的ではなく、どちらかというと「仮定法」として使われることが一般的です。
私もあまり仮定法は得意ではないんですが、今日は「仮定法」とは?とうところから少しずつ初めていければと思います。
「仮定法」と「直接法」とは
直接法は、単に実際の事実や状況を述べるために使用されます。直接法の文は、現実的で具体的な情報を伝えるために使用され、通常の文の形式に従います。
対して仮定法は、実際の事実ではなく、仮定や願望、命令、提案などの非現実的な状況を表現するために使用されます。
例文を表にしてみてみましょう。
仮定法 | 直接法 |
---|---|
If I were rich, I would travel around the world. (もし私がお金持ちだったら、世界中を旅行するだろう。) |
I am happy because the weather is nice. (天気が良いので、私は幸せです。) |
I wish I were taller. (私はもっと背が高ければいいのに。) |
She is studying for her exam. (彼女は試験の勉強をしています。) |
If he were here, he could help us. (もし彼がここにいれば、私たちを助けてくれるのに。) |
He said he will come to the party. (彼はパーティーに来ると言っていました。) |
表を見てわかる通り、左の仮定法では条件を示す「if」節や、願望を表す表現「wish」などと使われることがあります。
ただ、if節であればかならず仮定法であるかというとそういうわけではありません。
直接法でも「if」は使われ、その意味としては、「if」節が事実に基づいている場合、現実的にその結果が起こる可能性が高いと考えられます。
- If it rains, I will bring an umbrella.
(もし雨が降ったら、私は傘を持って行きます。)
この文では、実際に雨が降る可能性があり、その場合に傘を持っていくことが計画されています。
対して、仮定法では非現実的な条件や願望、仮定を表現するために使用されます。「If」節が現実に反する条件を示し、結果が起こる可能性が低いか、または存在しないと考えられます。
つまり、現実では起こりえないことを「if」によって示すわけです。
- If I were a bird, I could fly.
(もし私が鳥だったら、飛ぶことができるでしょう。)
例文の中で青色で示した部分が、「現実では絶対に起こりえないこと」ということになります。
直接法 | 仮定法 | ||
---|---|---|---|
If it rains, we will stay at home. | もし雨が降ったら、私たちは家にいます。 | If it were to rain, we would stay at home. | もし雨が降るんだったら、私たちは家にいるのになぁ。 |
If you study hard, you will pass the exam. | もし一生懸命勉強すれば、試験に合格します。 | If you studyed hard, you would pass the exam. | もし一生懸命勉強していたら、試験に合格していたのになぁ。 |
If she is free tomorrow, she will join us. | もし彼女が明日空いていたら、私たちに加わります。 | If she were to be free tomorrow, she would join us. | もし彼女が明日空いているとしたら、私たちに加わるのに…。 |
If the weather is nice, we will go for a walk. | もし天気が良ければ、散歩に行きます。 | If the weather were to be nice, we would go for a walk. | もし天気が良かったら、散歩に行くのに…。 |
表中の赤色部分が直接法、青色部分が仮定法を表しています。
赤色で示される条件は、可能性が高く現実的に起きうることを条件にしています。対して、青色で示される条件は「非現実的」が前提です。
つまり、「If it were to rain, we would stay at home.」であれば、天気予報も終日晴れの予報で、実際も快晴。雨などこれぽっちも降らないときに、この表現を使います(可能性はあるが限りなく小さい)。
※ これはこのあと説明する「仮定法過去」ではなく「仮定法未来」になります。
仮定法の文構造
今日説明するのは、仮定法には現時点の「もし○○だったら□□なのに」を表現する「仮定法過去」について説明します。
※ 「仮定法過去完了」については別記事で紹介していきたいと思います。
仮定法過去の文構造は以下の通りになります。
If + 主語 + 動詞の過去,(カンマ) 主語 + 助動詞の過去 + 動詞の原形
前半が副詞節、後半が主節になります。
「if」を伴う副詞節の中の動詞は必ず「過去形」になり、主節では助動詞の過去形(couldやwould)を使います。
また、「if」中で使われる動詞が一般動詞ではなくてbe動詞であった場合は、基本的に「were」が使われます。
このルールは主語が三人称単数であったとしても変わりません。
- If I were a bird, I could fly.
(もし私が鳥だったら、飛ぶことができるでしょう。)
そもそもなぜ、仮定法では過去形を使うかというと現実との距離を置くためだとされています。
まとめ
大変お疲れさまでした。
本日のまとめになります。
文法形式 | 特徴 | 例文 |
---|---|---|
直接法 | 実際の事実や状況を述べるために使用される。 | She is studying for her exam. (彼女は試験の勉強をしています。) |
仮定法 | 仮定や願望、推測、提案などの非現実的な状況を表現する。 | If I were rich, I would travel around the world. (もし私がお金持ちだったら、世界中を旅行するだろう。) |
仮定法過去 | 過去の仮定や願望を表現する。 | If I had known about the meeting, I would have attended. (もし会議のことを知っていれば、出席していたでしょう。) |
仮定法過去完了 | 過去の状況を仮定する際に使用され、過去の出来事が完了していることを示す。 | If she had studied harder, she would have passed the exam. (もし彼女がもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していたでしょう。) |
※ ここでは説明しませんが、仮定法未来というものもあります。
大変お疲れさまでした。
本日は以上になります。続いては「could編」をお届けしていきます。